『柳に風  新・酔いどれ小籐次』を読んでみました(ネタバレなし)  ~ 佐伯泰英 ~

私の読書感想文

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 『柳に風 新・酔いどれ小籐次』を読んでみました。
2016年8月に出版された新・酔いどれ小籐次シリーズの第5弾です。

 

新兵衛長屋界隈で自分を探し回る怪しい男がいると聞いた小籐次は、読売屋の空蔵に調べを頼みます。
前回、大事な小籐次ネタを他の読売屋にかすめ取られていた空蔵は、「これは大ネタに化けるかもしれない!」と探索を引き受けます。
ところが、前作でうづ親子を助けるために戦った秩父の雷右衛門が絡んでいると調べ上げた空蔵は、そこで敵方の手に落ちてしまいます。
小籐次は空蔵の身を助けることはできるのか?

 

今作はあまりおもしろくありませんでした。
敵がヤクザや盗賊などの小物ばかりで、刀を抜いてしまえば小籐次が勝って当然。
1番の見せ場であるはずの殺陣のシーンなのに、両者に力の差があり過ぎてなんのドキドキ感も感じられないのです。
ストーリー自体も今までどこかで読んだような話ばかりで、今作は飛ばして次を読んでも何の問題もない気がします。
1ヶ月後にシリーズ第6弾『らくだ』が出るらしいので、今回はたぶん営業用の付録です。
佐伯先生が書かれるシリーズはどれも長く続く作品ばかりなので、さすがにネタも尽きてしまったのかなと心配になってしまいました。

 

ただ1つだけ期待が持てるのが、駿太郎の成長です。
わずか11才ながら、今回初めて敵を切り殺しました。
初めて人間の命を絶ったはずなのに、駿太郎の心に怯えや迷いは一切なく、身体とともに心の成長も感じられます。

こうなってくると、まるで『密命』シリーズの金杉惣三郎・清之助親子の再来です。
近い将来、小籐次と駿太郎が刃をまじえる日が来てしまうのか!
今後の展開が本当に楽しみです。

 

 

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コメント

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