『ハーシェリク 転生王子と憂いの大国』を読んでみました(ネタバレなし)  ~ 楠 のびる ~

私の読書感想文

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『ハーシェリク 転生王子と憂いの大国』を読んでみました。
2016年4月に出版された本で、web小説の書籍化です。

 

『本好きの下剋上』を読んで、すっかりweb小説にはまってしまった私。
最近は小説投稿サイト「小説家になろう」で転生ものばかりを探し出し、貪るように読みふけっていました。
素人さんが書かれるものなので玉石混交。
箸にも棒にもかからない作品も多い中、「買ってでも読みたい!」と思わせてくれたのがこの『ハーシェリクシリーズ』でした。

 

ゲームや漫画が大好きな2次元オタクの早川涼子は、35歳の誕生日前日、交通事故にあってこの世を去ります。
ところが、目覚めてみれば、大国グレイシス王国の第七王子ハーシェリクに転生。
しかも、金髪碧眼のまさに天使と見間違えるような赤ん坊。

何不自由なく王子様ライフを満喫していましたが、3歳の誕生日のお披露目の日、無実の罪で処刑される伯爵と出会います。
大国を蝕む貴族たちの不正と陰謀。
魔力も運動神経も持たない王子が、前世の事務員スキルを活かし、王国の危機を救うために戦う決意をします。

 

物語の設定はまさに『異世界転生王道ファンタジー』ですが・・・
魔術が当たり前に使える世界なのに、主人公のハーシェリクは魔力を持っていません。
不正を暴くために頼れるのが、前世の事務員スキルと人柄だけ・・・というところが珍しいしおもしろかった。

 

正直なところ、「普通のOLにしては経理能力が高過ぎるし、度胸と人心掌握術はもはや一介のOLではない!」と思わなくもありませんでしたが・・・
webに掲載されていた短編に、前世で主人公の上司だった人が、葬式で彼女のことを回想するお話がありました。
どうやら、OL早川涼子の能力は、会社創設以来初めての女性役員をも狙えるほどの高スペック。
ただし、自己評価がそれにまったく伴っていない上、2次元オタクで出世欲は皆無・・・ということらしいです。

 

分かってみれば、不正を暴くためにまず使うのが『経理能力』・・・という設定はとてもおもしろい。
さすがに『本好きの下剋上』ほどの緻密さはありませんし、世界観の掘り下げが若干甘い気もします。
でも、文章がとても読みやすい上、水戸黄門のような勧善懲悪の安心感もあります。

 

先が気になってwebの方も覗いてみましたが、新たに忠誠を誓う騎士や魔術師(超絶美形ばかり!)も集まってきて、大陸の覇権を狙う隣国との戦いも始まるようです。
魅力的な兄や姉たちの出番も増えてくるようですし、これからの作者の成長が楽しみな作品です。

 

2017年2月15日には新刊『ハーシェリク  転生王子と白虹の賢者』も発売されるようです。
ここまでのお話で執事と騎士を従わせたハーシェリクが、今度は魔法士を見つけるお話のようです。(桃太郎の犬・猿・キジみたいなもの?)
web上ではどんどんお話が進んでいるようなので、先が気になってついつい読んでしまいそうで困ります。
小説は本で読みたいタイプの人間なので、発売を楽しみにグッと我慢を続ける今日この頃です。

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コメント

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