『紅霞後宮物語 第九幕』を読んでみました。
鴻の立太子に揺れる後宮。
文林から離れない決意をした小玉が、新たな絆を紡ぐ新章のスタートです。
【あらすじ】
敵対する司馬氏の追放、思わぬ形で告げられた鳳の死。
加えて、小玉を支えていた梅花までいなくなったことで、後宮の規律は乱れ、小玉の負担は増していました。
紅燕と真桂が支えますが、養い子の鴻が立太子すると、小玉に反旗を翻す妃嬪も出現。
そんな中、死んだはずの鳳に関するある噂が後宮まで届き…
後宮は小玉の敵となるのか、味方となるのか。
【感想】
複雑な想いが絡む不穏な空気の中、小玉のために奔走する真桂の心のあり方が、とても印象的でした。
今作の主役はまさに真桂です。
でも、鳳の件に絡んでくるのはまたも金母、少し引っ張り過ぎじゃない?と思いました。
小玉の立場では、”自分の子を望むこと=幸せ”ではないんですね。
”価値観の違い”というものを、強く意識させられる巻でした。
「かわいそう」っていう言葉は、安易に使っちゃいけないんだなって耳が痛かった。
ついでに、
あの三羽烏が、悩む小玉の心を慰める日がくるなんて、思いもしなかった。
しかし!
明慧夫妻のお墓が筋肉の聖地になるなんて…
文林、おヒゲが欲しかったんだねえ。
心が痛くなるようなシーンが多い中、軽い口調で語られる笑いに救われました。
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