『遺跡発掘師は笑わない 元寇船の眠る海』を読んでみました(ネタバレなし)  ~ 桑原 水菜 ~

私の読書感想文

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『遺跡発掘師は笑わない 元寇船の眠る海』を読んでみました。

待ちに待った、西原無量シリーズの第6弾です。

舞台は長崎県松浦市にある鷹島。
蒙古襲来の際、海に沈んだ元寇船の調査が今回の目的。
水中発掘の精鋭が集まったチームによって発掘が順調に進む中、天才発掘師・西原無量は美しい黄金の短剣を見つけます。

ところが、翌日、現場に行ってみると、黄金の剣はなくなっており、犯人と目された男も溺死体で発見されます。
しかも、無量のところにも「チュンニョルワンの遺物を渡せ」との脅迫電話がかかってきて…

無量が発見した剣は、高麗の王様が高麗軍の元帥に授けたとされる『忠烈王の剣』なのか?
海の武士団松浦党の末裔や国際的な盗掘組織の思惑も絡み、1本の剣が元寇の時代と現代が交錯する世界へと無量たちをいざないます。

 

教科書で覚えたうろ覚えの知識では、元寇といえば、モンゴルと高麗の合同軍による日本侵攻、神風が吹いて大量の元寇船が海に沈んだ…というものでした。

でも、800年も昔のことなんだよね。

本当に神風は吹いたのか?
そもそも、本当に何万もの大軍で攻めてきていたのか?
日本に投降して捕虜になった人達は、その後、どうなったのか?

ほんの100年前のことでさえ明確になってないことも多いのに、800年も前の史実が絶対に真実だなんて言えるわけがない。
いつの時代でも歴史は為政者によって捻じ曲げられてしまうもの…こんな当たり前のことを、このシリーズを読むといつも思い出させてくれます。

 

それにしても!
あの人見知りの無量が、今回は忍ちゃんや萌絵ちゃんはもちろん、バディの広大や、トレジャーハンターとして憧れを抱く黒木さんなど、珍しく複数の人に懐いています。
少しづつ、本当に少しづつですが、他人を受け入れ始めた無量の成長がうれしいです。

また、今作からは『JK』ことジム・ケリーも表に出てきました。
でも、なんというか…
前作までは、JKはもう少し高齢で『冷酷な支配者』というイメージだったんだけど、意外と若くて軽い。
悪人だとばかり思ってたんだけど、他に完璧な悪玉が登場してきたし。
実は無量の才能を高く評価してるだけの普通のエージェント…ってオチもあるかもしれません。

 

しかし…前作に引き続き、またもや未完!
読み切りのつもりで読んでいたので、最終ページでのガッカリ感は計り知れません。
どうして『前編』と表示してくれないのか。
分かっていたら、後編の発売後にまとめて読んだのに!
こんな複雑なストーリーを2ヶ月先まで覚えてられる自信がまったくありません…

 

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