『美白有効成分』とは厚生労働省が認可している美白成分の総称で、現時点ではおよそ20種類が該当しています。
その中から、化粧品などに使用されている主な13種類の成分についてご紹介します。
目次
ビタミンc誘導体
ビタミンcには次のような美白作用があります。
・活性酸素を抑える
・メラニンの生成を抑える
・メラニンを淡色化する
・ターンオーバーのリズムを正常化する
このビタミンcには、肌への浸透力が弱く、酸化して変質しやすいという大きな欠点があります。
優れた美白作用はそのままで、欠点である浸透力と安定性を人工的に高めたものがビタミンc誘導体です。
お肌を乾燥させる作用もあるので、乾燥肌の方は保湿成分も一緒に配合されているものを選ぶようにしましょう。
ハイドロキノン
メラニンの生成には、『チロシナーゼ』という酵素の働きが不可欠です。
ハイドロキノンはこのチロシナーゼの働きを抑える作用がある上、メラニンを作り出すメラノサイトそのものに働きかけて、過剰なメラニンの生成を防ぐ働きがあります。
また、メラニンは酸化すると黒くなる性質を持っています。
ハイドロキノンには酸化を抑えることでメラニンの色を薄くする働きもあるので、シミの予防だけでなく、既にできてしまったシミにも効果が期待できます。
アメリカでは「シミの治療薬=ハイドロキノン」というほどポピュラーな成分で、「肌の漂白剤」とも呼ばれる強力な美白成分です。
刺激が強く安定性が悪いことから、日本では利用は皮膚科などでの処方のみに制限されていました。
しかし現在では、濃度が2%までのものに限り、化粧品に配合することも厚生労働省から許可されています。
白斑(皮膚の色が白く抜けた状態)やかぶれなど、副作用の報告も多い上、酸化すると強い刺激性を持つ物質へと変化するので、取り扱いには十分な注意が必要です。
アルブチン
ハイドロキノンとブドウ糖が結合してできた成分で、『刺激が強く、酸化に弱い』というハイドロキノンの欠点がカバーされた成分です。
安全性が高いので多くの美白化粧品に採用されていますが、ハイドロキノンより刺激が穏やかになった分、美白作用も1/10~1/100と弱くなっています。
このアルブチンには、チロシナーゼの働きを抑えてメラニンの生成を防ぐ働きがあります。
ハイドロキノンにはシミの予防と改善の両方に効果があるのに対し、アルブチンにはできてしまったシミへの改善効果はありません。
一般的にアルブチンというとβ-アルブチンを指すことが多いようです。
しかし、実はアルブチンには『α-アルブチン』と『β-アルブチン』の2種類があり、α-アルブチンはβ-アルブチンの10倍以上の効果があることが認められています。
エラグ酸
ラズベリーやザクロなどのフルーツに多く含まれる抗酸化物質で、ポリフェノールの一種です。
チロシナーゼの働きを抑えてメラニンの生成を防ぐとともに、その高い抗酸化力によって、お肌のアンチエイジングをサポートする働きがあります。
ルシノール
北欧やシベリアに自生するモミの木に含まれる成分です。
メラニンは、チロシンとチロシナーゼが結合することで生成されます。
ルシノールはこのチロシンとチロシナーゼの結合を防ぐ働きがあるので、過剰なメラニンをの生成を抑える効果があります。
メラニンを抑制する働きは『アルブチン』や『コウジ酸』にもありますが、これらに比べて浸透性がよく、安定性が高いのが特徴です。
プラセンタエキス
動物の胎盤から抽出された成分です。
チロシナーゼの働きを抑えてメラニンの過剰生成を防ぐ働きがあるほか、乱れたターンオーバーのリズムを整えることで、シミの体外への排出を加速させる効果があります。
また、アミノ酸やたんぱく質、ミネラル、ビタミン、活性ペプチドなど、お肌の健康に必要な栄養素を豊富に含んでいます。
カモミラET
カモミールから抽出している成分です。
お肌が紫外線の刺激を受けた時、メラニンを生成するようメラノサイトに伝達する役割を担うのが『エンドセリン』という情報伝達物質です。
カモミラETにはこのエンドセリンの働きを抑制する作用があるので、メラニンを作るメラノサイトの増殖・活性化を防ぐことができます。
また、エンドセリンは既にあるシミの部分にも多く存在するため、シミを薄くさせる効果も期待できます。
化粧品メーカーの花王が開発した成分なので、他社がこの成分を使用する時は『カミツレエキス』や『カモミラエキス』などで表記されています。
トラネキサム酸
もともと抗炎症剤として医療の現場で使用されてきた成分ですが、その美白作用に着目して開発されたのが資生堂の『m-トラネキサム酸』です。
メラノサイトの活性化を抑えてメラニンの生成を抑制する効果があるほか、炎症を抑える働きもあります。
すべてのタイプのシミや肌荒れに効果が認められていますが、主に肝斑の内服薬に配合されている成分として知られています。
リノール酸
紅花油から抽出される成分で、食品油にも用いられる不飽和脂肪酸の一種です。
メラニンの生成に不可欠なチロシナーゼを分解することで、作られるメラニン数を減らすことができます。
また、ターンオーバーを促して、メラニンの排出にも効果を発揮します。
コウジ酸
みそや日本酒の製造過程でできる麹菌由来の成分です。
メラニンを作るチロシナーゼから銅イオンを取り去ることで、チロシンとの合成を阻害して、メラニンの生成を抑える働きがあります。
4MSK
4-メトキシサリチル酸カリウム塩の略称です。
シミの部分で生じる慢性的な角化プロセスの乱れを整えて、メラニンを含む古い角質を落としやすくする効果があります。
また、チロシナーゼの働きを抑えて、メラニンの生成を抑制する働きもあります。
マグノリグナン
モクレン科ホオノキなどの植物に含まれるポリフェノールの一種です。
チロシナーゼの成熟を阻害することで、メラニンの生成を防ぐ働きがあります。
t-AMCHA
卵黄や大豆から生成される成分です。
メラノサイトにメラニンの生成を伝達する『プロスタグランジン』の働きを阻害したり、肌荒れを引き起こす『プラスミン』の生成を抑える働きあがあります。
合わせて読みたい記事
≫ どのプラセンタサプリを選べばいいの? ~タイプ別(こだわり別)おすすめプラセンタ~
≫ お肌のシミを消す方法とは? ~消せるシミと消せないシミ~
コメント
[…] ⇒ 厚生労働省が認可している『美白有効成分』とは? […]
[…] ≫ 厚生労働省が認可している『美白有効成分』とは? […]