プラセンタは、何の胎盤を原料としているかによって、動物性や植物性、海洋性など、いくつか種類に分類できます。
ここでは、動物性プラセンタの中から、豚プラセンタ・馬プラセンタ・羊プラセンタ・ヒトプラセンタの4種類について、それぞれの特徴とともに解説します。
国内で販売されているプラセンタ商品の中で、最も大きなシェアを占めているのが豚由来のプラセンタです。
豚はたくさんの子供を産むので、胎盤を安定して確保しやすく、商品の大量生産が可能です。
このため、比較的手頃なお値段で入手できるので、続けやすいというメリットがあります。
また、臓器移植に使われることでも分かるように、豚の組織は人間と良く似ているため、体内に摂り入れた時に相性が良いというのも特徴の1つです。
ところが、豚は集団で飼育するのが一般的なので、感染症にかかりやすく、予防のためにワクチンや抗生物質を大量投与されて育ちます。
最近は豚の残留薬物問題も増えてきており、購入する時には、安全性を重視して選ぶ必要があります。
徹底した管理体制の下で育てられ、厳しい基準をクリアした国産SPF豚を原料とする商品を選ぶと安心です。
豚プラセンタの次にポピュラーなのが馬由来のプラセンタです。
馬の妊娠期間は人間より長い330日もある上、1度の妊娠で1頭しか出産しません。
このため胎盤がしっかりと成熟するので、アミノ酸や成長因子などが量・質ともに豚よりも優れていると言われています。
また、馬は体温が高いので、寄生虫や雑菌が住み着きにくく、病気にかかりにくい動物だと言われています。
薬で汚染されている心配がないので、殺菌・加熱処理を最小限に抑えることができ、有効成分が壊れにくいという利点もあります。
近年は国産サラブレッドや、メキシコ、キルギス産の馬が人気ですが、これらの胎盤は希少性が高く、お値段高めなのが欠点です。
豚や馬に次いで売れているのが羊由来のプラセンタです。
羊と人間はアミノ酸の構成がよく似ているので、人体に馴染みやすく、免疫反応も起こりにくいと言われています。
浸透力がとても高いので、豚や馬のプラセンタに比べて効果が出やすいとの評価もあります。
また、羊は病気に対する抵抗力が強いので、特定の伝染病(スクレイピー)以外の病気にはかかりにくい動物です。
このため薬で汚染されている心配が少なく、安全性が高いプラセンタだと言えます。
ところが、狂牛病や口蹄疫の問題以降、日本では羊の胎盤利用に制限がかかっています。
日本で手に入るものはスイスやニュージーランドからの輸入品のため、流通量が少なく、価格が高いのがネックです。
ヒト由来のプラセンタは、文字通り、人間の胎盤から作られています。
あらゆるプラセンタ製品の中で医薬品として取り扱われるのはヒトプラセンタだけで、肝機能障害や更年期障害、乳汁分泌不全などの治療薬として利用され、保険が適用されるケースもあります。
当然のことながら、人体への馴染みやすさはどのプラセンタよりも優れていて、それだけ高い効果も期待できます。
しかし、ヒトプラセンタは医療機関でしか取り扱うことができない上、ヤコブ病に感染する可能性が否定できないため、1度でもプラセンタ注射を受けると献血や臓器提供ができなくなります。
美容やアンチエイジング目的で取り扱うクリニック等も増えていますが、全額自己負担となるため、通院の手間や高めの価格設定を考えると手が出しにくいプラセンタと言えます。
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