ホットフラッシュの治療法として一般的なのは『ホルモン補充療法(HRT)』と『漢方療法』の2つです。
今回は、この2つの治療法のメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。
目次
ホルモン補充療法
ホルモン補充療法とは、ホットフラッシュを引き起こす原因である女性ホルモンの不足を、外から補う療法です。
基本的には、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモン剤を使用し、経口剤(飲み薬)や経皮剤(貼り薬・塗り薬)によって投与します。
更年期障害の治療として行われるものであれば保険適用されるので、自己負担額は1ヶ月に1,000~2,000円程度ですみますので、婦人科や更年期外来で相談してみましょう。
★メリット
・治療効果が大きい
・即効性が高い
・投与方法や投与量を工夫できる
★デメリット
・副作用がある(不正出血、子宮体がん、脳卒中、心筋梗塞などのリスクが高まる)
・既往歴によっては利用できない(婦人科系のがん、子宮筋腫、心筋梗塞、血栓症、肝臓疾患、糖尿病など)
・定期的な血液検査や診察が必要
・止め時が難しい
ホルモン補充療法を選択する場合には、副作用などのリスクを充分に理解した上、医師の指導のもとで取り組む必要があります。
漢方療法
漢方療法は、つらい症状を取り除きながら、ホルモンの減少に対応できる体質に根本から作り直し、全身の状態を整えていく治療法です。
ホルモン補充療法に抵抗があったり、既往歴によって治療が受けられない方が利用されるケースが多いようです。
短期的な症状はホルモン補充療法で改善し、その後は漢方薬を補助治療として併用していくのも効果的です。
ホットフラッシュに効果的な漢方薬は次の通りです。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力が普通かそれ以下で、とにかく疲れやすいというタイプの方に向いています。
更年期障害に伴うイライラや不安、不眠などの精神症状の他にも、月経不順、冷え症、肩こり、頭痛、めまいなどの症状を和らげます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりゅうがん)
【第2類医薬品】「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠 90錠
比較的体力がある方に向いています。
血の流れをスムーズにしてくれるので、ホットフラッシュの他にも、月経痛、肩凝り、手足の冷え、腰痛、赤ら顔などの症状にも有効です。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
貧血気味で疲れやすく、やせている方に向いています。
血行を改善して身体を温めたり、ホルモンバランスを整える働きがあるので、更年期障害を始めとする女性特有の様々な疾患に効果があります。
★メリット
・副作用が比較的少ない
・複数の症状に同時に対応できる
・効果の持続期間が長い
・誰でも利用できる
★デメリット
・効果が緩やか
・漢方薬を処方できる病院が少ない
・味に癖がある
・健康保険が適用されず割高になるケースもある
漢方では、一人一人の体質や体調、症状を診断し、それぞれに最も合った薬が処方されます。
そのため、同じ症状でも、人によって異なる漢方薬が処方されることもあります。
プラセンタでホットフラッシュを改善
近年ではホットフラッシュの治療薬として、副作用の心配がなく、誰でも利用できるプラセンタサプリを処方する医療機関も増えてきています。
プラセンタには、乱れたホルモンバランスを調整する『内分泌調整作用』や、自律神経のバランスを整える『自律神経調整作用』があるので、更年期障害の不快な症状を緩和することができます。
また、『血行促進作用』や『造血作用』もあるので、血管の働きを正常化して血流を改善することで、ホットフラッシュが起こりにくい身体に作り変えることができます。
プラセンタにはホットフラッシュの予防・改善効果だけでなく、様々な美容・健康効果も確認されているので、更年期対策でプラセンタを飲んでいたらお肌まできれいになったという人も多いようです。
更年期障害へのプラセンタの効果について詳しく知りたい方はコチラ
⇒ 更年期障害はプラセンタで改善できる? ~更年期障害の原因と症状~
まとめ
ホルモン補充療法と漢方療法にはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらの治療法が良いと断定することはできません。
症状や体調と相談しながら、自分に合った治療法を選択しましょう!
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